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「声を上げるのがわれわれの義務だ」

バヌヌ氏について

バヌヌ:声を上げるのがわれわれの義務だ
核の内部告発者、モルデハイ・バヌヌへのばかげた迫害は、彼の解放を遅らせるものではない


ダンカン・キャンベル  英国ガーディアン紙(2010年1月2日)

5年以上前、ディモナにあるイスラエルの核施設の元技術者だったモルデハイ・バヌヌが、イスラエルの核兵器の秘密を暴露したために18年服役した後に出所した。今週、彼は釈放に課せられた条件に違反したとして、外国人と会話したかどでエルサレムで再び逮捕された。

バヌヌがサンデー・タイムズに語り、モサドの諜報員によってイタリアまでおびき寄せられ、そこで薬物を打たれてイスラエルに送還され、反逆とスパイの罪で告発されたのは1986年のことである。彼は2004年に出獄してから、核のない世界、そして中東問題の解決策としての非暴力をより熱烈に正しいと信じるようになった。彼の反抗は、話を聴く人には誰にでも話すということだった。そのために彼は米国にいる自らの養親と一緒になることや彼に自宅を提供する支援者と共にいることを妨げられつづけた。最近の彼の逮捕はノルウェー女性との関係に由来している。今週、彼の弁護士が述べたように、「彼は情報漏えいで告発されたのではない。彼女は核問題に関心がない。彼女は自分に関心を持っているように見えるモルデハイ・バヌヌに関心を寄せているにすぎない」。

様々な制限措置の理論的根拠は、依然、彼が外国の権力者にイスラエルにとって有害な秘密を渡すことがありうるということである。もしそれが本当の理由であるならば、彼が6ヶ月間、大人しく過ごして、外国人に話さなかったら、出国できるとなぜ最初に言われなかったのだろう?さらに、ディモナの下級技術職にいたのが四半世紀前になるのに、彼が伝えると危険な秘密を有していると考えるのは、まったく信じられないことだ。

バヌヌに嫌がらせをする本当の理由は、屈服せずに出獄するほどに生意気だった人物に対する復讐心である。もしバヌヌが出国を許可されたならば、もちろん一般の関心から次第に遠ざかっていったことだろう。今や彼が逮捕される度に、イスラエルが核兵器施設を持っていること、そして、イスラエルの敵が自らの兵器計画を正当化している事実を世界は思い起こすのである。

素晴らしいドキュメンタリー映画の新作『アメリカで最も危険な男』- 英国では近日上映 - はダニエル・エルズバーグの話を伝えている。彼はベトナムにおける戦争での行為についてのペンタゴン・ペーパーを1971年に漏洩した内部告発者であり、25年の刑期の可能性に直面したことがある。バヌヌのように、エルズバーグは自らの政府がなしている秘密に遭遇し、それを世界に知らせる義務があると信じた。バヌヌのように、エルズバーグは政府によって中傷されたが、彼に汚名を着せようとする露骨な企みは裏目に出て、エルズバーグは劇的に認められた。カリフォルニアの自宅からエルズバーグ - 現在、バヌヌを最も一貫して支援する人びとの1人 - は昨日、「ニクソンは115年の刑として私を起訴して成功しなかったけれども、私はアメリカのバヌヌと言えます」と述べた。自らの自由を危険にさらす気になったこのような内部告発者たちがいなければ、私たちは政府が計画していることにもっと無知なままで暮らすことになるだろう。

バヌヌに起きていることは英国と英国の報道機関にとって重要である。彼が話を持たらしたのはロンドンとサンデー・タイムズ紙に対してである。彼に対する違法な誘拐が最初に起きたのはロンドンからである。麻薬密輸のために中国で処刑されたアクマル・シャイフのために外務大臣は正当な抗議をした。英国は核兵器拡散について世界に対して無事に語れる場所と信じた男のために、声を上げる同様な義務がある。最近のバヌヌ逮捕の際にハーレツ紙でヨッシ・メルマンが書いたように「文明開化した世界の司法と道徳の規範を守ると称する立派な国では、勇気を持ってモルデハイ・バヌヌがきっぱりと自由になることを許可するよう期待できたかもしれない」のだ。

原文は↓にあります。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/libertycentral/2010/jan/02/mordechai-vanunu-duty-nuclear-whistleblower

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